ジャイアントロボ ~地球が静止する日~ (Wikipediaより)
ジャイアントロボ。さまざまな作品でパロディをされていたりすることもあり、タイトルだけは聞いたことがある!という人も多いのではないかと思います。
「ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日」は、1992年〜1998年…つまり約30年ほど前の作品。
今回はBlu-rayが発売したということで知人が購入したのを見せていただくことに。
当時生まれて間もなかったアラサーの私でもジャイアントロボを楽しめるのか…!?
ということで、6時間弱ぶっ続けで(間に休憩を挟みつつ)通しで観た感想を書いていきます。
(※キャラクターの生死、ネタバレなどが突然入りますので、これからDVDを購入される方はご注意ください)
アニメ感想の前にまずはざっくりあらすじと結論を
結論:めちゃくちゃ楽しめる話でした
先に結論から書いてしまいますが、正直かなり楽しめました。
見る前は「絵柄が古いから6時間観ていられるかな?」とか「展開についていけるかな?」とか色々思っていたのですが、絵柄は見ているうちに慣れてきますし、展開も複雑な話ではありませんでした。
物語を見ていくと「過去に起きた惨劇の内容は、本当はこういう出来事だった」「黒幕の正体は実は…」のように段々と真実が明かされていくような作りになっており、視聴者を飽きさせないストーリー展開になっています。全7話ですが、個人的に面白くなっていったのは、大体のキャラや展開、設定などがわかり、過去の真実が明かされていく5話目あたりから。(遅)
最初は「なぜ主人公が戦っているのか」「今のキャラは敵なのか味方なのか」みたいなところに疑問符を浮かべながら見ていたのですが、段々とストーリーに入り込んでいき、終盤ではキャラの背景や関係性などがわかっていくのがこの作品のすごいところだと思っています。
「国際警察機構」vs「秘密結社BF団」とのバトル
冒頭でも語られますが、大枠は主人公サイドの「国際警察機構」と、敵サイドの「秘密結社BF(ビッグファイア)団」の2勢力のバトルもの。
国際警察機構には、エキスパートと呼ばれる超人的な力を持つキャラたちがおり、秘密結社BF団には十傑集(じっけつしゅう)と呼ばれるなんかすごい人たちがいる。
SNSやネットでよく見かける、こちらの孔明ももちろん登場します。
孔明はBF団側で、物語中盤あたりで出てきます。どこまでも策士でした…
物語の鍵を握る「シズマドライブ」
シズマ博士を含む5人の研究者たちによって開発され、自動車、街灯、家電、懐中電灯、果ては戦争などにまで使われているエネルギー源「シズマドライブ」。リアルでいうところの石油とか、電気とかその辺りのなくなったら生活できなくなるレベルの資源ですが、今作のジャイアントロボでは、シズマドライブを巡って戦いが繰り広げられます。
見る前に上記の2点を押さえておけば、あとは見ながら理解していけると思います。
以下、ざっくりあらすじと1話の感想
第1話は、古城のようなところでBF団の4人が話し合っているところから始まります。
長髪ロングのイケメン、幻夜。赤マントの呼延灼。葉巻を吸う片目眼帯の男、アルベルト。はげ頭のスーツの男、イワン。
イワンの目の前にはアタッシュケースが2つ置いてあるが、幻夜は「アタッシュケースは3つある」と言う。幻夜がやろうとしている作戦には3つのアタッシュケースが必要だと言うところで場面転換。
アタッシュケースを抱えながら逃げるカニのような髪型をした男性は、シズマドライブを開発した研究者の一人、シズマ博士その人。それを追いかける謎の覆面の男。
古き良き悪役という風貌。とてもいいですね。花丸です。
博士を追い詰め、覆面の男が銃を構え撃とうとするが、そこに現れたのは国際警察機構の銀鈴と鉄牛。銀鈴は女性なのですが、この時に現れた姿が大男の変装だったため、つい男性だと思ってしまいました。(実際、相対した覆面の男も銀鈴が変装を解いたとき「女!?」とめっちゃ驚いていました。)
鉄牛は変装ではなく大柄な男性。コロコロと表情が変わる、面白いキャラです。脳筋と言えば脳筋キャラなのですが、物語が進むにつれ、鉄牛が主人公に対して抱く複雑な感情や、鉄牛自身の過去などが語られていくので、目が離せなくなります。
増援(全員覆面)を退けつつ、シズマ博士は銀鈴と鉄牛に救助されますが、しかし!撤退したと思われた最初の覆面の男が暁(BF団の巨大な機械)に乗って再度現れたことにより、3人は逃げるしかなくなります。
そんなとき、銀鈴と鉄牛の持つ通信アイテムに通信が入り、少年の声で「そのまま走って!」と告げられます。
ここで登場するのがジャイアントロボと、主人公である草間大作くんなんですが…。
ジャイアントロボこの圧倒的な存在感………。
隣に乗っている大作くんと比べると存在感とデカさと威圧感が半端ないですね。
目元が拡大した時の、この作画の気合いの入れ方、めちゃくちゃ好きです。
ジャイアントロボの圧倒的な力の前に、暁に乗った覆面の男は「そんな馬鹿なーーーー!」と悪役の断末魔にふさわしい叫び声をあげ、吹っ飛ばされます。
ここの描写だけでジャイアントロボがめちゃくちゃ強いことがよくわかりました。
シズマ博士と共にアタッシュケースを無事に持ち帰った銀鈴たちはアタッシュケースの中には1本のシズマドライブのサンプルが入っていることがわかりました。
それと同時期、パリではシズマドライブが原因で過去に起こった大事故「バシュタールの惨劇」に似た現象が起こります。
バシュタールの惨劇は、開発者のうちの一人、フォーグラー博士が未完成のシズマドライブを使用したことによって起こってしまったとされている大事故です。
街中のエネルギーが徐々に止まってしまうといういうヤバめな事件でした。
国際警察機構の一人である、村雨はその時に死んだとされていたフォーグラー博士をパリで目撃することとなります。フォーグラー博士は「復讐だ」と告げ、村雨の前から姿を消します。
なぜ、バシュタールの惨劇の元凶とされているフォーグラー博士が現れたのか。
パリでは一体何が起こっているのか。
アタッシュケースの中のシズマドライブは一体なんなのか。
1話の中で銀鈴が大作くんと話している時、「シズマ博士のおかげでシズマドライブができて…」と口にした直後苦い顔をして口を噤むシーンが出てきたり、保護されて安全なはずのシズマ博士が怯えたまま「フォーグラーが来るぞ…」と繰り返し口にするシーンが出てきたりと、いくつかの伏線が張り巡らされていました。
物語が進んでいくと、全ての伏線を回収し切ってくれるため、消化不良で終わることはないと個人的には思います。
見ると、名作と言われる所以が分かる気がしてきます。30年前の作品だからと躊躇わずに、少しでも興味のある方にはぜひ見ていただきたい作品です。
(※2話目以降も随時感想を更新していきます。)
おまけ
特に物語とは関係のない感想なんですが、
BF団側の幻夜が窓際にブーメランパンツ一丁で立つシーンがあるんですよねジャイアントロボ。
ギャグではなく、普通にシリアスシーン(悪夢を見て幻夜が飛び起きる)ですが、なぜかめちゃくちゃ笑ってしまいました。
いわゆるイケメンのサービスシーンというやつでしょうか。ありがとうございます。